デザインの現場「工場へ行こう!!」 (2000~2004年)

クライアント:株式会社美術出版社

雑誌『デザインの現場』にて5年間に渡り行なわれた連載です。

工場の持つ技術力と髙橋の発想による日本のものづくりの可能性をアイデアと共に届けた連載であり、結果それら発想の展開は、異業種の繋がり、日本の工場・産業力への多くの人の期待へと繋がり、特殊印刷加工という分野の構築、またデザイン現場に於いて広くその印刷や加工の展開の概念が普及していった事(当時、髙橋が夢見たことです)、また工場が変化した事、工場がオープンになっていった事、日本のものづくりや工場力といったものに社会が注目し始めた事など、現在もその影響力は大きく、工場とデザイナーの関係性も大きく変化しつつあります。

連載は髙橋自身が10代〜20代前半に出逢った、深い信頼関係の方達のご紹介をメインに、当時髙橋の掲げた「日本を応援するプロジェクト」であったからこそ、今とは異なる工場がもっとクローズであった時代に、この様な連載を、工場の方達が毎回、髙橋からの電話での依頼に応えていてくれたものであります。

連載の中では、髙橋自らが携わった事で出来上がった技術なども紹介されています。

全国の工場を10代の頃から桑沢の学生時代に掛けて多数まわり、そこから「デザインの力を通して日本の中小の工場、そして産業を応援したい!!」といった想いへと学生時代なっていった髙橋、工場の社長達と盛り上がり、作ってきた印刷・加工技術・方法・素材への概念・信頼関係の深さ、分野の広さ、そしてそのおつきあいの時間は、MASAMI DESIGNの宝物です。

髙橋が桑沢を卒業し、MASAMI DESIGN事務所が始まった後にスタートをしたこの連載は、工場とデザイナーを繋ぎたい、そして、こんなにも素晴らしい技術・工場・職人さんが日本には沢山いる事を沢山の人に紹介したかったという事、そして何よりも、ものづくりの現場は、技術はあるけれども、アイデアはまた別であったりする為に、実は、こんな可能性、あんな可能性がある!、という事に、デザイナーも含めた多くの人が、これまでの概念の中でものごとを考えてしまっているために、ちょっとした「きっかけ」を創る事によって、社会は広がり、多くの人のそこから先のアイデアとなっていき、盛り上がる、と当時髙橋は夢を見、日本の未来のものづくりの可能性を、お見せしたい、と、世の中に全くなかった発想を毎回アイデアとして出し展開しているものです(それには「工場へ行こう!!」の様な、当時工場を紹介する、という誌面の見せ方としてはありえなかった方法から様々にイメージを、多くの人の未来へとはせ、ワクワクと考えていったものでした。

連載の中で髙橋が工場へ訪れている様子は、はじめて工場を訪れた読者の立場に立って考え作った発想のものであり、実際は、深い仲の工場の方達のご紹介がメインで行なわれてきたからこそ、当時この様な連載が可能となった事でもありました)。

連載前から既に「正実ちゃんが昔、工場を廻ってくれたおかげで、工場界が本当に変わった」と工場業界ではいわれる程、日本のものづくりを盛り上げる事に力を入れてきた、髙橋十代後半からの仕事、といっても過言ではないと考える中の「工場へ行こう!!」はその一つです。

連載「工場へ行こう!!」(5年と2ヶ月間の内容)
第1回 2000,9月号
「長台印刷+点字印刷の巻」 株式会社サンイチ工芸社
第2回 2000,10月号
「可食印刷の巻」 トップ・フーズ株式会社
第3回 2000,12月号
「ディフラ(特殊箔押印刷)の巻」 株式会社ディフラ
第4回 2001,2月号
「手製本の巻」 美篶堂
第5回 2001,4月号
「機械刺繍の巻」 小西マーク株式会社
第6回 2001,6月号
「木目印刷の巻」 吉田製作所
第7回 2001,8月号
「EL印刷の巻」 株式会社緑マーク
第8回 2001,10月号
「ブリスターパック成形の巻」 ジャパン・プラス
第9回 2001,12月号
「活版印刷(前編)の巻」 嘉瑞工房
第10回 2002,2月号
「活版印刷(後編)の巻」 嘉瑞工房
第11回 2002,4月号
「ミラクル・ビジョン・プリントの巻」 内藤プロセス
第12回 2002,6月号
「高品位アート染色システムの巻」 幸和
第13回 2002,8月号
「型抜きの巻」 株式会社片山抜型製作所
第14回 2002,10月号
「スコッチプリントの巻」 大東印刷工業株式会社
第15回 2002,11月号
「パッケージ製造の巻」 永和紙器工業
第16回 2003,2月号
「疑似エッチングの巻」 福寿産業
第17回 2003,4月号
「プラスチック成型の巻」 株式会社リョウケ
第18回 2003,6月号
「ラミネート加工の巻」 宏和樹脂工業株式会社
第19回 2003,8月号
「ダンボールの印刷・加工の巻」 協和ダンボール株式会社
第20回 2003,10月号
「ニット技術の巻」 東京都立産業技術研究所
第21回 「シールの巻」 株式会社北信社
第22回 「看板印刷・成形の巻」 株式会社コバプロ
第23回 「ステレオ印刷[マジカル・ビジョン]の巻」 株式会社チャンピオン企画
第24回 「染色の巻」 株式会社川合染工場
第25回 「製紙の巻」 特殊製紙
第26回 「調色の巻」 東洋カラーテック
第27回 「各種素材へのプリント・エンボスの巻」 ヨシオカ

◎尚、工場へ行こう!!は、書籍『工場へ行こう!!』(美術出版社)として、発売されています(2,980円+税)。本の工場力を楽しく未来へと可能性を開いた連載。この書籍は、デザイナーや工場の関係の方のみならず、一般書として、多くの方の未来への発想の展開のきっかけとして楽しく読める本となっています。はじめにとおわりに、そして章ごとに毎回繰り広げられる髙橋の未来への想像の文章を、通しで読んでいただくだけでも、ワクワクする本です。是非お手にとって読んでみて頂けましたら幸いです。

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