岐阜県美術館ガイドブック 1・2 (2004年)
クライアント:東京書籍株式会社
視覚障害を持つ方向けに作られた日本初の触ってわかる美術館ガイドブックです。
一冊目は彫刻作品を中心に、二冊目は、絵画作品を中心に制作しています。
解説文の文字は弱視の人も読み易い様、書体等の選定を行い、なるべく文字を大きくする工夫を考え行ないました。例えば、本来文章中内容が変わる際には、行を変え1マスあけるところを詰めてしまい、文と文の間にグレーの丸を文字大で入れる事で、説明がなくとも、文章内容が変わる事がイメージ出来る様にし、文字を大きくしても面積をあまり取らずに内容を上手く伝えられる様、細部に渡るデザインを行なっています。
作品のレイアウトは、左頁は、弱視の人が立体として作品を捕らえやすい様レイアウトしました。右頁は全盲の人が手で触って、想像をして分かり易い様考慮し、レイアウトを行なっています。
掲載作品は「触って人気のある」ものから選定がされており、表紙は印刷によって触って感じる表現とし、触る事の楽しさを持った、触れて気持ちの良い本になっています。
その他本の大きな角Rは、触ってこの本のシリーズだと知らせるものとしてデザインを行なう等、視覚に障害を持たれる方の立場に立って制作された、この作品集は、日本では初のものとなり、現在はこの様な本の教科書的存在ともなっているとされています。